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NYM(ニム)とは?ミックスノード(Mixnode)とは?
NYMトークンは、Nym Technologies社(スイス)が提供するトークンである。
同社が提供する「Nymミックスネット」という分散コンピューティングで通信をシャッフルすることによって、VPNやTorよりもさらに高度なプライバシーを保った通信が可能となるという仕組みと説明されている。
NYMプロジェクトの公式サイトURLはこちらだ
https://nymtech.net/
NYMの将来性は?
Mymプロジェクトについて、現時点では、個人的には将来性にかなり期待できると思っている。その理由についていくつか挙げてみたい。
1. 需要がある分野の基盤技術である
Nymが扱っているレイヤーは、決済サービスのような単なるビジネスモデルではなく、アプリケーション層でもなく、もっと深いネットワーク層※のレイヤーの基盤技術である。つまりそれより上物(うわもの)のアプリケーション層を含むサービスすべてに活用されうるという意味で、応用範囲が広い。
ITの世界では、プラットフォーマーが勝つ世界である。GAFAMのうちMeta(Facebook)がメタバースを打ち出したのは、祖業のSNSが、あくまでハードウェアデバイスやOSの上物(ウワモノ)であるという危機感ゆえに他ならないだろう。Metaがメタバースのための独自デバイス・ソフトウェアのインフラを構築し、世界に普及させることに成功すれば、晴れてこの呪縛から開放されることになる。
※OSI基本参照モデルの表現。TCP/IPではインターネット層に相当。
需要についてはどういえるだろうか。
Nymプロジェクトのターゲットとしてはやはり企業での活用を想定しているようだ。ロードマップ上、企業導入(2023年予定)が当面目指されている。
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https://nymtech.net/#roadmap
こういった匿名性の高いサービスは、組織犯罪や反体制組織の温床になりそうなイメージがあるかもしれないが、Nymプロジェクトとしてはどうやらそういうことが対象ではない。企業が、既存のインターネットプロトコルのインフラを用いつつも、より厳格なプライバシーの確保がされた通信を行いたいという需要はあることだろう。当面はVPNで事足りているように見えるかもしれないが、ある程度の対価を支払ってでももう一段厳密なプライバシーを確保したい時に、ダークウェブのイメージが強いTorしか採用できない現状は不便ではないだろうか。法人サービスであるNymプロジェクトのアプローチは重宝されそうな余地は十分あるように思える。とはいえ具体的な企業での活用のユースケースはまだこれからだ。(2023年予定)
Nymの通信がVPNとTorとどのように異なるかは、公式サイトのこちらの説明をご参照されたい。
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https://nymtech.net/about/
2. 企業が運営している
上述の通り、企業Nym Technologies社のサービスである。マイルストーンに基づいて着々と仕事をする点で企業組織がオーナーなことは安心材料である。オープンソースコミュニティだとコアデベロッパーの個人的な気分に左右されたりもするのだから。
3. エコシステムは持続可能な数理モデルをもとに設計されている
数学は苦手なのだが、公式ドキュメントのこのあたりを読んでの感想である。
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https://nymtech.net/docs/stable/run-nym-nodes/incentives
4. 資金集めに成功している
これもつい先日であるが、Nymプロジェクトの資金集めも好調であることを示すニュース報道がなされている。
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MINKABU(みんかぶ)記事
Nymが390億円規模のファンドを設立。a16z、Polychain等が支援。
5. プロジェクトが運用開始フェーズにある
プロジェクトは現在、テストネットによる試験段階から本番運営が始まろうとしているタイミングである。もちろんミックスネットのノードプログラムや、専用ウォレットの一連のソフトウェア群がすでに揃っている。ロードマップに基づいて順調に進捗しているように思える。
6. NYMトークンの知名度、流通も途上ながら拡大している
NYMトークンについても、エアドロップやトークンセールでの配布や上場も進み、Kraken(クラーケン)グローバルで昨日5月3日に上場。BINANCE(バイナンス)上場も時間の問題であると推察される。
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あたらしい経済 | クラーケングローバル、分散型プライバシー提供のNym(NYM)上場
プライバシーのサービスで「スイス初」というのも、いかにもお家芸らしいではないだろうか。
NYMのデメリットは?
あえてデメリットについても言及しておきたい。企業による中央集権的なプロジェクトのトークン共通のリスクはご周知のとおりと思うのでそれ以外の点について附言したい。
- 公安にマークされる可能性
これが今のところ考えられる最大のリスクである。平和な日本でそんなバカなと思われるかもしれないが、サイトでJavascriptの無限ループやらCoinhiveやらを動かしただけで捕まることもあるというのが悲しいかな我が国のITレベルなのである。国家権力による監視が及ばないレベルのプライバシー保護のプロジェクトに参画することは、政府当局から警戒される可能性があることは想像に難くない。Nymに興味を持つ動機が単なるトークン売買による金儲けならば微笑ましいのだが、ひょっとしたら筋金入りの組織犯罪やテロリストかもしれない。Nymのアプリをダウンロードしたり、NYMトークンを保有したり、Nymのノードを運用したりするだけで、「ちょっと君お話聞かせてくれるかナア」と事情聴取を求められるというようなことがあるかもしれない。ではTelegramはどうだという話だが、マジョリティになればなかなか手出しされることもない。要するに先駆的なマイノリティのうちは悪目立ちすることもあるということだ。もしかしてネット上にNymの解説記事があまり見当たらないのはこの辺の事情にビビっているのかも知れないというのは邪推に過ぎるだろうか。 - 国内法によって禁止される可能性
どういった根拠で禁止されるかは別として、仮に「NYM所持取締法」とかそんな法律ができたら一発アウトである。 - 価格が暴落してもNym Technologies社は関知しない
投資家の皆様方におかれては、注意点として、NYMトークンは、投資または投機を目的としたセキュリティトークンではなく、Nymのサービスの利用を目的としたユーティリティトークンであるという建前があることについてお伝えしておきたい。 それは、こちらの公式サイトのページでも明言されている。
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https://nymtech.net/token/
NYM is not a general purpose payment mechanism or cryptocurrency like Bitcoin, and should only be used inside the Nym network.
本記事のタイトルもこれが分かった上で「暗号資産(仮想通貨)」と記述しているが、ミスリードするつもりでそうしているのではない。検索エンジンで検索される方の利便性を考えてのことである。また目的はどうであれ、チューリップであれ、ウィスキーであれ、現代アートであれ、投資・投機の素材になる(できる)ことと本来の利用用途とには関係がないことはいうまでもない。
一方、このようにNym Technologies社自身がNYMトークンがセキュリティトークンではないとハッキリ明言している以上、同社には取引価格維持につとめる責任は微塵も存在しない。たしかに流通総量や増加量はいまのところ綿密に計画されていて公開されているものの、同社はトークンの希少性について恒久的に担保する道義的責任すら負ってはいない。もしNYMをサービス利用以外の目的で購入する投資家がいれば、あくまで好き勝手に投資のネタにしているに過ぎないことは念頭に置かねばならない。
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NYMトークンはどうやったらゲットできるか?(購入方法)
本稿執筆時点の2022年5月4日現在、NYMトークンが売買されているのは海外の取引所のみのようである。少し前に暗号資産投資界隈では、CoinListが期間限定のトークンセール(抽選?)をやっていたことが紹介されていたようだ。(個人投資家のブログなどで紹介されているので、「nym+coinlist」でググると出てくる)。「トークンセール」は少し特殊な買い方にはなると思う。現在はこのトークンセールは終了している。
他には、メインネット(本番)とは別のテストネットに参加自前のノードを立てて参加したら貰えたり、Nym Technologies社の関係者なら持っていたりするようだ。
Telegramのチャットで運営から案内される取引所は次の3つだった。 このうち、2022年5月4日現在、日本居住者(ないし日本人)がやや安心して利用できるのは、OKX、Gate.io かと思う。同取引所に口座を開設している方ならば、NYM/USDTの取引が可能と思われる。
取引所 | 取引ペア | メモ |
---|---|---|
OKX | NYM/USDT | 旧名称「OKEX(オーケーイーエックス)」。世界有数の取引規模を誇る。日本円、日本語対応はされていないが、日本居住者でも口座開設して利用できる |
Gate.io | NYM/USDT | 日本円、日本語対応はされていないが、日本居住者でも口座開設して利用できる。過去NYM無料配布(日本未対応)や、スタートアップセールが行われたことがあるようだ。 |
Huobi Global | NYM/USDT | 国内の「Huobi Japan」ではない本家の方。だがこちらの本家は2018年日本居住者へのサービスが停止している |
なお、上記に加え、Kraken(クラーケン)グローバルが上場したばかりである。
NYMについての情報収集はどうすればよいか?
NYMは、運営がTelegramのグループチャットで情報発信や問い合わせ対応をしている。スレッドを眺めるだけならJoinしなくてよい。質問するにはJoinが必要だ。ただしここで注意いただきたい点がある。
-
Telegramのデフォルトのセキュリティ設定は必ずかえておくこと。
暗号資産投資家の皆様におかれては、こんなことは百も承知かもしれないが、グループチャットにJoinする前にTelegramの設定をあらためてチェックしていただきたい。その数5億人ともいわれるTelegramユーザに不必要に個人情報をばらまいてしまうことはリスクでしかない。
Telegramのセキュリティとプライバシー設定については、カスペルスキー(※ロシアに本社を置くセキュリティ企業)のこちらのブログ記事が参考になるだろう。
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Telegramのセキュリティとプライバシーに関するヒント
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DM(ダイレクトメッセージ)は全部無視すること。
とにかくDMは99%が詐欺だと思ったほうがよい。Telegramでも、運営が定期的に警告メッセージ画像をPOSTしている。暗号資産(仮想通貨)界隈はとにかくあなたの資産を虎視眈々と狙っている詐欺師が跋扈(ばっこ)していることを忘れてはならない。
Telegram の公式チャットで「How to buy NYM-token」 と質問すると(こういう初歩的な質問をする****が実に多い)運営側が、懇切丁寧に逐一「DMは絶対するな」という警告と、NYMを扱う主な取引所の公式アナウンスのURLをガイドしてくれる。Telegramで最近の他の人の回答を見ればよいが、この情報は流動的になる可能性があるので、最終模範回答よりやや時間が経過していると判断するならば、その場であらためて問い合わせてみたらよいだろう。
中国語チャットは別にあるがノイズが多い印象だ。日本語チャットはまだ閑散としているが日本国内における認知度や温度感を肌で感じるためにはJoinして損はないかもしれない。
Telegramのグループ
Nym(English) https://t.me/nymchan
Nym(China)https://t.me/nymchina
Nym(Japan)https://t.me/nymjapanese
もちろん他の言語も多数ある。
あなたの興味は?
ここから後の内容については、読者のあなたの立場によって興味のポイントが分かれることだろう。
-
Linuxのコマンドラインが得意な暗号資産やプライバシーに興味のあるエンジニアの方 ⇒ミックスノード構築に挑戦する記事へ
実は、かなりXYMよりも低スペックのVPSでノード構築できることが分かっている。実際にテストネットノードを構築したら体験記を出してみたい。
【2022年5月10日追記】後日構築に成功した。体験記はこちらをご覧いただきたい。
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2022.05.06 記事 Nym(ニム)のMixnode(ミックスノード)を構築してみる - 計画編
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すでにNYMトークンを保有している投資家の方
⇒ミックスノードにNYMトークンを委任する記事(余裕があれば書くかもしれない) -
ブロックチェーン関連記事を書くライターの方、ブロガーの方
⇒記事を書かれるご参考に(当記事はリンクフリー・報告不要です)
内容の正確性については、公式ドキュメントや公式チャンネルの発信をチェックしていただきたい。 -
上記のいずれにも該当されない方
⇒お知り合いのエンジニアまたは投資家にこのブログのURLをシェアしていただくと喜ばれるかもしれない。(当記事はリンクフリー・報告不要です)
今後のノカミシステムの記事にどうぞご期待ください。
当記事がお気に召しましたら、ぜひこちらのボタンをクリックしてくださると大変ありがたいです。
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当ブログの暗号資産関連はこちらにまとまっています。
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暗号資産カテゴリーの記事
はてなブックマークで後でじっくり読んでいただくにはこちら。
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【謝辞】NYMについて教えてくれたブログ
NYM(およびMixnet)については、Ason氏によるこちらのブログで知った。
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NYM-Mixnetによる誰にも傍受されないプライバシー通信を試してみた
このAson氏のブログは、日本語・英語の2言語発信で、技術的にハイレベルでクオリティの高い記事が掲載されていて流石である。ただ、この記事では、専ら利用者側、しかもテストネットを使ったNymクライアントの動作確認についての話を扱っており、トークンや投資についての言及はなかった。そこで今回、NYMトークン、ノード運営などについて独自に調査を試み、分かったことをまとめて公開することにした。公式含めて英文の情報は複雑で膨大なので全体像が把握しづらくもあり、私なりに咀嚼(そしゃく)してお伝えしたつもりであるが、なにぶん一刻も早くホットな情報をお届けしたいという思いもあり、推敲しきれていない点、理解不足の点もあるかもしれない。あらかじめご容赦願いたい。
なお、当サイトはお気づきのとおりアフェリエイトもやっており、(この手のバナー広告は絶対に踏んでやるものかと思われている読者の方もおられると思うが)、あえてSEOを犠牲にしてまで、テーマを特化せずに総花的な雑記ブログにしている理由は、クロスオーバーな知的交流が行われるサイトになればよいと考えているためだ。たとえば、ゴリゴリの暗号資産投資家の方が、こちらの記事で、タリアイ・ヴェーソス『氷の城』という当サイト推しのノルウェー文学に興味をもつきっかけとしてくれて、ノルウェー文学も読む暗号資産投資家が爆誕してくれたらこの上ない喜びである。
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2022/04/06 【続報】 タリアイ・ヴェーソス『氷の城』新訳が届いた。コレクション全3巻の構成も明らかに!