このページをご覧のあなたは、NFTをエアドロップで貰えたり、NFTで一儲けできる情報が得られるかもしれないとの期待からたどり着いたのかもしれない。残念ながら、ここではそのようなものは得られない。そのかわり、NFTによる「不所持の証明」についてのナンセンス物語をお持ち帰りいただければと思う。

NFTとは🤔

NFTとはつまり非代替性トークン(Non-Fungible Token)のことで、トークン(Token)というのはブロックチェーン(Blockchain)技術を用いた暗号資産(Cryptocurrency)のことで、ブロックチェーン(Blockchain)というのはサトシ・ナカモトが…いや、こんな説明はやめておこう。ズバリ本題に入っていきたい。

NFTで「不」所持証明?🤔

ちかごろNFTでキャッキャと騒いでいる人たちは(失礼、あなたもその一人かもしれない)お気に入りのデジタルコンテンツが自分の所有物だと主張するために使っていることと思う。つまり「所有の証明」である。では、NFTを使って逆に「不所持証明」ということができたならどうなるだろうか。

ここで、一つの前提を確認しておきたい。NFTが証明書として機能するのは、元となるブロックチェーンを誰にもバレずに改ざんするということが現実的に不可能な程度に困難であるということに立脚しているという事実だ。つまり途方もなく難しいだけであって、理論上、絶対に不可能というわけではない。その実、世の中は一事が万事そういう「信頼」で成り立っているところがある。これ以降はこういうレベルでの「証明」の話としてお聞きいただきたい。

不所持証明ができたらこんなに便利😁

世の中では何かの所有(または所持)を証明することは実に至るところで行われているが、不所有(不所持)を証明することができたなら便利なのにと思われたことはあおりではないだろうか? 「不所持」証明というワードを聞いたあなたは「拳銃」や「麻薬」を思い浮かべるかもしれない。しかしこの手の証明は、警察で捜査できるレベルの難易度である。(たしかにコストはかかるのだが…)ボディーチェックとして、クルマの中や住居を捜索し尽くして発見できなければ「所持していない」ということになるだろう。

では、「コロナウイルスに感染していないこと」の証明はどうだろうか?これは難しい。ある時点で受けたPCR検査で陰性だったということならばできる。ただ、PCR検査では感染を確認することはできても、感染していないことの証明にはならないと思われる。それに検査後にあらたに感染してしまって今に至っているかもしれない。

「配偶者」がいないことの証明はどうだろう。これは簡単だ。役所の書類をチェックすればよい。では「恋人」がいないことの証明はどうだろう?これまで一度も恋人がいなかったことの証明は?なかなか難しいと思われるはずだ。

ある本を読んだことがないことの証明は?

ある食べ物を食べたことがない証明は?

生まれた時から檻の中に監禁でもしていない限り、こうした証明はまず無理筋である。

不所持証明は古代からあった!?😲

話を少し基本にもどして考えてみると、NFTにしても、普段の我々の生活にしても、日常の合理的なレベルでの「信頼」の積み重ねで成り立っている。「信頼」の基本はウソをつかないことである。
それなら、不所持証明についても、古代から存在する「ある方法」を使えばよい。それは「誓う」ということである。つまり自分自身で「不所持宣言」をすればよいのである。では、何に誓うのだろうか。「神にかけて」と思いつくかもしれないが、そんなことは到底実装できないので、自分自身の「全財産にかけて」という方法をとることにしよう。とはいえ「全財産」はちょっと大げさすぎるので「相当多額のお金」をかけることにしておきたい。

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スマートコントラクト登場🚀

一つの誓いに全財産をかけたら一つのことについてしか「不所持証明」できないではないかと思われるかもしれない。ここでわれらがブロックチェーンの登場である。いくつもの「誓い」をチェーンでつなげていけばよい。「ウソにウソを重ねる」という言葉があるが、いわば「誓いに誓いをブロックチェーンで繋げ」ていけばよいのである。そしてチェーン上の誓いの一つが破綻した時点で「全財産」もとい「相当多額のお金」が即時没収となるスマートコントラクトのトリガー条項を設定しておけばよい。(もちろんこうなったら新規の「誓い」の発行はできない)こうすることで気兼ねなく「不所持証明」をバンバン発行できることになる。もちろん発行には与信の限度があるだろうが、かなりのレバレッジを利かせることができるだろう。

有用な利用シーンは?😉

「この件は〇〇さんから直接依頼されたのではありませんか?」と聞かれ「〇〇さんとそもそも面識はありません」と答弁するいうようなケース。そして後から、その〇〇さんと一緒ににこやかに会食している映像が出てきたりして「えーと、もしかしてお会いしたかもしれませんが、いつだったか、何を話したか記憶にございません」となるようなケースはないだろうか。まさにこうしたときに今日の「不所持証明」NFTの登場である。先生にはぜひこの不所持証明チェーンを次々につなげていただき、答弁においてバンバン発行していただくことで、トリガー発動いまかいまかというスリリングな体験ができることだろう。このときスマートコントラクトにかけるのは「相当多額のお金」ではなく「政治生命」ではいかがだろうか。

(ナンセンス物語おわり)

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