【注記】この記事は、2022年4月5日(更新)時点のものです。
こちらの2022年9月3日記事も参照。
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[悲報] Revolut(レボリュート)が金融庁(関東財務局)から行政処分を受けた
海外への送金するときに直面する困難
ズバリ申し上げよう。海外へ送金するというのは実はとても面倒だ。
「そんなこと分かっている」という方はここは読み飛ばして、
次世代型金融アプリRevolut(レボリュート)ではじめる海外送金
からお読みいただきたい。
銀行を使えば?
たとえば三菱UFJ銀行のインターネットバンキングを使って「外国送金」しようとするあなたは次のような状況に直面することだろう。
- 一連の手続きがネットだけでは完結しない。まず、申請書類を郵送で取り寄せ、免許証のコピー等の本人確認書類をつけて送って審査を受けて送金可能にするまで1週間はかかる。
- 相手の口座の細かな情報の入力が必要となる。(ちょっと挫折しそうな入力フォームである)
- 外国送金手数料が3,000円(三菱UFJの現地法人の場合でも2,500円)かかる。
- 外貨取扱手数料が、送金金額の1/20%(最低2,500円)かかる。
- もし中継する銀行があればそこでの手数料もかかってくる。
- ちなみに、もしもミスって送金組戻(くみもどし)や内容変更が発生したならさらに手数料4,000がかかる。
※上記は三菱UFJ銀行のWebサイトの記載に基づきまとめています。
一概に銀行で外国送金を行うのがナンセンスだと言っているわけではないが、国内の送金手続きしかしたことのない方にとっては、外国送金のそれとは比べ物にならないほど煩雑な手続きと高額な手数料とに驚かされるのではないだろうか。
ビットコイン(BTC)は?
あなたは「ビットコイン(BTC)は海外送金に便利だ」という話を聞かれたことがおありかもしれない。(つい最近まで私自身もそのように思い込んでいたのだが)2022年4月現在、海外送金する手段としてビットコイン(BTC)を使う方法はスマートとは言えなくなっているようだ。
- ビットコインで決済できるものは限られるため、結局、相手は自国の法定通貨に換金する場合が多い
- ビットコインはボラティリティが大きく、市場価格が暴落してしまうこともありえる
- 2022年4月1日から暗号資産取引所でトラベルルールが施行され、アドレスだけでなく受取人情報も必要となったため、以前に比べ送金が手軽にできなくなってしまった
- 送金時にメッセージを付加できないので、受け取った方が税金対策に困るかもしれない
- 送金に失敗して“セルフゴックス”してしまうリスクがある
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海外送金サービスは?
銀行以外に、海外送金サービスを使う方法がある。有名どころでは、PayPal、Western Union、Wise (ワイズ, 旧称:TransferWise) が挙げられる。これらのサービスの手数料は銀行と比べおおむね安いようだ。Revolut(レボリュート)で対応していない国への送金などにはこれらのサービスを検討してもよいだろう。
次世代型金融アプリRevolut(レボリュート)ではじめる海外送金
さて、ようやく本題のRevolut(レボリュート)のご紹介である。Revolut(レボリュート)は2015年イギリスでスタートした新しい金融サービスで、ヨーロッパを中心に人気であるという。日本では2020年にサービスが開始されたばかりだ。あまり宣伝を見かけない気がするが、ちょうどコロナ禍の発生と時期が重なり、いまだに海外旅行が振るわない状況が続く現状では、派手な宣伝も打ちづらいのかもしれない。不可解な海外送金にかかる手数料のアンチテーゼが誕生の動機なようだが、Revolut(レボリュート)どうしなら送金手数料が無料でほぼ即時に着金されるという驚愕のサービスだ。
とりあえず無料で使える
Revolut(レボリュート)のプランは、スタンダード会員(無料)、プレミアム会員(980円/月)、メタル(1,980円/月)の3種類であるが、ヘビーユーザでなければ、とりあえず無料のスタンダード会員で十分だろう。 ちなみにメタルは、重厚な金属性のメタルカードがもらえるらしい。
送金時に一言メッセージを添えられる
送金と同時にメッセージ欄があるので一言書くことができる。もし寄付ならばこの一言が添えられることで相手側が税金控除を受けられるかもしれないのでかなり大きなメリットがある。もしかすると、メールでメッセージを送るかわりに、あえてRevolut(レボリュート)を使って(少額の送金と共に)メッセージを送ることで「電報」のような粋(いき)な演出ができるかもしれない。
アカウント取得はあっという間に完了する
実際にアカウントを登録してみたところ、ざっとこんな感じであった。
- AndroidまたはiOS用のスマホアプリがあるので、ストアでRevolutと検索してインストールする。
(おそらく公式サイトからアプリのURLをSMSで送信させる方法が間違いがなくてよい) - よくある金融サービス系アカウント登録の手続き。SMSのワンタイムパスワード認証に加え、自撮りや免許証の両面撮影などがあるが、自撮りはウインクさせたり首を振らせたりさせるものではなく正面1枚だけ。免許証もナナメの厚みの撮影はなかった。
- 手続きは後回しにすることもできるものがあるのでどんどん進められる。
- Visaブランドのクレジットカードも発行でき、選ぶと後日無料で自宅宛てに送ってくる。(有効化するにはアプリで追加手続きが必要)
- アプリにログインするには毎回4桁の暗証番号を求められる。(たかが4桁である)
- 最初は1万円の限度額が設定されていたが、審査リクエストするとあっという間に限度額が引き上げられた。
上記のようにRevolut(レボリュート)はとてもスピーディーで、ややユルめな印象をもった。
☟Revolutの画面(左はホーム画面、右は日の丸をクリックした時のチャージ先口座だ)
海外送金するときの注意点
ここで、Revolut(レボリュート)で海外送金するにあたって、いろいろ調べてみてわかった注意点を共有したい。
クレジットカードでチャージしないこと
海外送金の場合のアプリへの入金方法は、デビットカードか、銀行口座への振込によるチャージのみ。クレジットカードでチャージすると海外送金はできないので注意が必要だ。ではクレジットカードでチャージすると何に使えるかというと普通のお買い物である。これでは意味がない。
銀行口座に入金するには、アプリのホーム画面の日の丸をタップするとジェー・ピー・モルガンの東京支店に自分専用の「当座」口座番号ができているのが確認できるので、その口座あてに振込みをする。受取人名は「REVOLUT」となる。(とはいえ実は筆者はここを間違えてしまったのだが普通にチャージされた)
チャージする際は、リアルタイムの為替レートの変動や、手数料がかかることを想定し、ある程度余裕をもたせた金額を入金しよう。
マイナンバーの提出が必要
海外送金・入金については「マイナンバー」の提出が必要だ。マイナンバーカード、マイナンバー通知書、マイナンバー付き住民票のいずれか一つの写真撮影が求められる。マイナンバーの提出タイミングは、いざ送金する際にエラーとなって要求されることで登録画面に遷移する仕様になっている(ヘルプによるとアプリ内のチャットで直接サポートエージェントに連絡することもできるようだ)いずれにしても専用メニューはなく、エラーで弾いてから登録させるという流れはスマートさに欠けるが、ここは日本のローカルルール対応の後つけ仕様だから仕方ないのかもしれない。マイナンバーの審査も人間が対応しているのか疑問に思うほど短時間で完了する。
(2022年4月5日追記)上記エラーは、私がアカウント登録時のカード作成画面でマイナンバー登録をスキップして進めていたためかもしれない。マイナンバーの書類が手元にあり、海外送金を予定されている方は最初の段階で登録しておくのがスムーズだと思う。
外貨両替は平日(為替市場の営業時間)に行うのが鉄則
Revolut(レボリュート)は英国のサービスであることから、現地の為替市場営業時間以外の時間帯では、外貨両替の手数料が高くつくことに注意が必要だ。
Revolutのヘルプでは、為替市場営業時間とは「金曜日17:00ニューヨーク時間から日曜日の18:00ニューヨーク時間を除く時間」と定義されている。言い換えるならば、「日本時間の土曜日AM 6:00から~月曜日 AM 7:00までを除く時間」になる。急ぎの場合を除き、この間の海外送金は避けたほうがお得だ。(上記は夏時間。もしかすると季節によりサマータイムの1時間の差があるかもしれない)
パスコードの有効時間はものすごく短い
Revolut(レボリュート)の送金時のSMSに送られるワンタイムパスコード(数字6桁)の有効時間はものすごく短い。もはやギャグかというレベルである。(トータル10秒だっただろうか?)Revolut(レボリュート)のアプリがウィンドウ分割に対応していないことを加味すると、SMSに来たメッセージを受け取ってから、かなりの操作速度が求められる。筆者は1度目は間に合わず、2度目でようやく残り2秒のすんでのところでパスを通すことができた。ちょっとしたシューティングゲームをやらされている気分になる。ここはさすがにもっと緩和してもらいたいところだ。
残高は預金保護の対象外
Revolut(レボリュート)は、銀行の外国為替取引とは違い、第二種資金移動業者として行う海外送金サービスである。またチャージした資金は預金とは異なり、預金保護の対象外となるので注意が必要だ。
その他の点でも、利用規約をよく確認し、既存の銀行とは違うということを銘記した上で利用されることをお勧めしたい。
Revolutトップ >法的合意 > Personal terms 個人利用条件
海外送金だけではないRevolut(レボリュート)の魅力
今回は、海外送金の話に限ったが、Revolut(レボリュート)は普通にお買い物にも使えるし、国内送金にも使えるサービスだ。特に次の機能が面白い。
- ワンタイムバーチャルカード
プレイミアム会員(980円/月)以上のプランで使えるワンタイムバーチャルカードは使い捨てクレジットカードだ。利用シーンとしては、一度限り取引する海外のネットショップでのお買い物など。万が一相手のサイトで情報漏洩が発生しても、取引完了後はカードが無効になるので、わざわざ停止手続きをする必要がない。 - 限度額の設定
限度額を柔軟に設定できるのも魅力だ。もともとRevolut(レボリュート)には、お金のセルフ管理を支援する機能があるが、限度額の設定機能は、使いすぎを防止する「お金の管理」の一丁目一番地であろう。 - 寄付も受け付けている
海外送金する際に日本円から外貨両替する際、リアルタイムでの為替レートの変動もあるので、残高が僅かに残ったりすることもあるだろう。アプリ上で寄付先を検索して、寄付することもできるのでお金を有効に活用できる。
私自身Revolut(レボリュート)のことを少し触った程度であるが、かなり面白いサービスだと感じた。また分かったことがあればレポートしていきたい。Revolut(レボリュート)は日本進出してからまだ日が浅く、知名度もぜんぜんで、日本国内での展開もこれからだと思うので、この記事の内容から、規約や仕様が変更される可能性もある。随時、本家サイトのヘルプ等を参照いただきたい。

