2022年4月28日 SALの結果連絡が来たのでこちらに追記しました。

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これまで順調だったGMOクラウドのレンタルサーバー

このサイトはGMOのレンタルサーバ iCLUSTA+(アイクラスタプラス)を使っている。
私は2014年からずっと使っていて、大変お世話になってきたレンタルサーバである。

特に大きな問題もなく、途中から独自SSLサーバ証明書が無償で使えるようになったり、PHPが定期的にバージョンアップされたりと、まあまあ良いサービスだと思っていた。
ところがある日、大きな問題が発生する。

ある日突然起きた地震、直後にGMOクラウドのレンタルサーバーで起きた大規模障害。その時GMOクラウドはどうしたか?

それは、2022年3月16日の夜に発生した「2022年の福島県沖地震」である。千葉県の自宅にいた私は大きな揺れを経験した。東日本大震災の経験が脳裏をかすめる揺れだった。
幸い、揺れのわりには損害はなかったが、その直後思いもかけぬ影響を受けることとなった。

ブログに記事を書こうした矢先、驚くべきことに気づいたのである。
ブログにアクセスできない!
ブログだけでなく、コントロールパネルにもアクセスできない!!
まさか・・・
その通り、GMOクラウドのレンタルサーバー iCLUSTA+(アイクラスタプラス)で障害が発生していたのである。Webサイトをたどっていくと障害情報のページに行きあたった。翌朝になっても、昼になっても復旧しない。インスタンスから再起動しているレベルのようだ。結局翌日17日の夕方ごろに仮復旧したようだ。Webサーバは最後までダメだったが、メールの方は優先復旧したとのことで、確かにメールの方から送受信ができるようになった。ここの復旧優先順位の判断は、まあ評価できるかと思う。 (一方、障害情報ページに定期的に記載された情報は、曖昧で主観的な表現が目立った。ここは改善して欲しいと感じた。)

SLAを確認すると・・・

まさに障害が発生しているさなかでも、 iCLUSTA+(アイクラスタプラス)のランディングページのトップでは、「安定稼働を支えるクラスタ技術」や「安心して任せられる」というような威勢のよいキャッチフレーズが目に入ってきて複雑な気分になりつつ、どれどれとSLAを確認してみた。

iCLUSTA+のサービス品質保証(SLA)について
https://shared.gmocloud.com/iclusta/sla/

小さめの字で、※以下はSLA対象外です。とある中にこういう文言があった。

・本サービスの保守を行う場合
天災、疫病の蔓延、悪意のある第三者による妨害行為

これは、「保守」なのか、いや違うだろう。「天災」か?確かにそうかもしれない。うーん。そうかもしれないが・・・そうなのか?

おすすめレンタルサーバー 『GMOクラウドのiCLUSTA+』の詳しくはこちら

どうも納得がいかず、サポートにフォームで聞いた

私が、なんとなくモヤモヤが残ったのは次のような理由だ。

  • あの地震で、他社のレンタルサーバで障害が起きたという話は聞かないのに、GMOクラウドだけがほぼまる一日に迫る大規模障害が起きていた。
  • 仮にデータセンターが停電になっても予備電源に切り替わり当面のサービスが継続されるシナリオがあるはずなので、停電でいきなりサービスが全落ちするというのはオカシイ。iCLUSTA+(アイクラスタプラス)という名前を冠しているのだからいざという時にちゃんとクラスタリングして欲しい。
  • 障害発生中、メールが受信できずバウンスして先方に自動的にブロックされたり、Webサイトのアクセスが中断することにより検索エンジンのWebサイトの評価が下がったりなど不利益を被ったかもしれない

この地震ではたいへん残念なことに亡くなられた方もいた。新幹線は脱線した。多くの家屋にも被害が出た。 iCLUSTA+(アイクラスタプラス)にしてもそもそも地震がなければ障害も起きなかったことであろう。そんな火事場に付け込んで返金要求を突きつけるのは気が引ける面もなくはなかった。私自身ITエンジニアの端くれで、クラウドサービス事業者側としてアプリのバグからインフラ障害まで経験し、障害報告書や謝罪文を書いたことは数知れない。今回の障害の復旧にあたったエンジニアにしてもいわゆる「48時間コース」だったかもしれないのでその苦労は分かる。ただ、上記の要素もいろいろ考えあわせて「天災による障害なのでSLA適用対象外」と片づけるにはいささか疑問に感じたところもあったため、サポートにWebフォームから問い合わせてみることにした。

ネットニュース記事の怪~なぜ文の途中に無関係な記事のリンクが表示されるのか?

まさかの回答

そうしたところ、サポートからは次の返信が来た。

本障害についてはSLAの適用にて対応を行いますので
本メールにて受付とさせていただきます。

え?そうなの・・・

結論

斯(か)くして私は、しばらくはGMOクラウドは様子を見ようかと思った次第である。
新幹線も脱線だけで済んだのには、過去の地震の教訓を生かした逸脱防止装置の改良があったという。GMOクラウドにしても今回の教訓を生かした今後より一層の安定稼働の技術向上に期待したい。繰り返すがこれまで特段不満はなかったサービスである。
皆さんもレンタルサーバが障害を起こした時は、SLAが設けられる場合が多いのでWebサイト(に記載の契約)をいまいちど確認されることをお勧めしたい。ただし今回のケースのようにこちらから申請しないとSLAが自動的に適用されることはないこともあるので、申請はちゃんとしよう

(2022年4月28日追記) 約束通り適用連絡が来た!!

この記事を書いてからずっと待っていたら、本日ようやくGMOクラウドからSLA対応の結果連絡が来た。 全部引用することはしないが要点だけを言えば次のとおりだ。

  • サービス停止時間は「31時間」、月間稼働率が「95.8%」、 返金率「50%」でのSLA適用となった。
  • 返金金額は「預かり金」 となる。今回は銀行振込対応の下限金額である「600円未満」だったので、次回請求額への充当という形になった。ちゃっかり次回更新前提になっている(笑)

結局、今回の私のケースでは、次年度更新時にちょっとだけ値引きとなる感じだ。なお、600円以上でも、銀行振込のみ対応しており、クレジットカード決済の人は、支払い方法を銀行振込に変更しなければならない。振込手数料は顧客負担とのことだ。この「預かり金」の受取りについては、アカウントマネージャーからの明示的な手続きが必要であるので注意が必要だ。次回更新時に忘れないようにせねば…。

なにはともあれ、今回、GMOクラウドのSLA適用ルールが約束どおりだったことを確認でき、ちょっと感動した。GMOクラウドさん、今後ともよろしくお願い致します。

iCLUSTA+(アイクラスタプラス)の良いところ

今回長時間障害を起こしてしまったGMOクラウドのレンタルサーバ「iCLUSTA+」であるが、私が特にいいと思っているのは、独自SSL(証明書)が契約期間中ずっと無償である点である。これは助かっている。もしレンタルサーバをお探しならば選択肢の一つに加えても良いかもしれない。

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