あるエンジニアのブログで激押しされていた本ということで読んでみた。
2018年11月初版の本なので新刊本ではない。ただ、そのぶん読者評も得られている。
Amazonのレビューでは112個の評価で3.9の高評価だ。★★★★☆(2022/10/08時点)
ユニークな説明で説得力がある!
この本のエライところは、エンジニアが経験値として何となく良くない書き方だと知っている書き方について、ユニークな観点から、悪文の悪文たる所以(ゆえん)が説明されていることだ。
たとえばこんな感じだ。
- ○○という表現は(あいまいな表現だということだけでなく)英語に翻訳することができないからNGだ
- 「~となります」は(単に耳障りだということではなく)書き手の○○○がないからNGだ
→ちなみに○○○の部分は、SE Shopの試し読みページで見ることができる。 【試し読みページ付き】SE Shopの『技術者のためのテクニカルライティング入門講座』の概要ページ
ほかにも思わず開眼させられたするどい指摘がいくつもあった。
障害報告書の書き方が載っている!
あなたがIT系の営業担当やシステムエンジニアならば、障害報告書をこれまで何度も書いたことがあるにちがいない。私自身、これまで障害報告書を書いた数は数知れない。(幸いなことに最近はこの手の書くことが少なくなったが…)
システム障害で多大な迷惑を被って顧客が怒り心頭な時、当該事象についての最も詳細な状況を把握しているはずであるプログラマ当人に報告書のドラフトを書いてもらればよいと思われるかもしれないが、これはたいてい不毛な時間の空費となることが多い。なぜなら、静電気除去シートに触れてからでないと手にとれない高オクタン価なシロモノが出てくることが少なくないからである。
そういう経験もあって、障害報告書を書く能力というのは、矢面に立つ営業担当やシステムエンジニアという人柱が、顧客に突っ込まれ、怒られてを繰り返しながら、徐々にセンスを磨いていくものだと思っていた。ところが本書では 障害報告書の書き方が論理的・体系的に説明されている。正直言って、こんなことならもっと早く読みたかったと思う次第である。
本書でも指摘があるが、障害報告書は、顧客の担当者だけではなく、その上司、経営者にまでエスカレーションされる可能性がある。その後の顧客との関係に影響を与えることもあるので、甘く見てはいけない。
TPOに合わせたノウハウが詰まっている!
本書で説明されているのは「テクニカルライティング」という単なる紋切型のノウハウ集ではない。
基本の型は意識しつつ、状況によって○○も必要というようなTPOにあわせたノウハウが載せられている。単に機械的にセオリーを踏襲するのではなく、自分が相手に伝えたいことは何か、どう表現すればそれがスマートに伝わるかという思考、センスを育ててくれる作りになっているところが素晴らしい。
たとえば、ときにはエモーショナルな表現も交えるということが実例を交えて紹介されている。
とにかく読みやすい!
テクニカルライティングの本というだけのことはあって、この本そのものがとてつもなく読みやすい。体感値としてはふだんの倍速で読めた気がする。思惟(しゆい)が紙面から脳内に流れるように入ってくる文章というのは気持ちの良いものだ。(ちょっと怖いことを言っている?)
翔泳社の直販ショップでの購入がおススメ
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本を購入するのは嫌だというドケチな方のために
私としては、座右に置きことあるごとに振り返りたいため、紙書籍を購入した。
とはいえ、最近テック系の企業が、自社の新人研修の講義スライドをネットで無償公開することが流行っている中で、サイボウズ社の新人研修の講義スライドがあったので紹介したい。こちらもなかなか秀逸なので取り急ぎサクッと学びたい時には十分使えるだろう。
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「サイボウズエンジニアのブログ」2022/06/23記事:2022年のエンジニア新人研修の講義資料を公開しました
※ Amazonのアソシエイトとして、ノカミシステム(野上智史)は適格販売により収入を得ています。
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