【注記】この記事は、2022年3月12日時点のものです。
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2022/04/06 【続報】 タリアイ・ヴェーソス『氷の城』新訳が届いた。コレクション全3巻の構成も明らかに!
2022/04/10 タリアイ・ヴェーソスの『氷の城』新訳~編集者によるnote記事が公開

国書刊行会の近刊情報をチェックしていたところ、驚きの情報が目に留まった。タリアイ・ヴェーソスの『氷の城』の新訳がこの4月に出るというのである。


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49年ぶりの新訳!

タリアイ・ヴェーソス(Tarjei Vesaas, 1897-1970)はノルウェーの国民的作家である。 私がこの作家の名前を知ったのは、佐伯一麦の小説『ノルゲ』でのことだ。作中で主人公がタリアイ・ヴェーソスの小説『The Birds』の翻訳を試みるくだりがある。結局のところ同書の邦訳はいまだに出ていないし、代表作と言われる『氷の城』も1972年の福田貴訳(新潮社)が古書ですら既に入手困難な状態なので、このたびの新訳は画期的だ。

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『鳥』、『風』も出版される可能性あり?

しかも国書刊行会の同書の紹介ページでは「タリアイ・ヴェーソス・コレクション」と銘打たれているので、国書刊行会では他の作品のリリースも計画されているのかもしれない。未確認情報であるが同じ翻訳者で『鳥』(The Birds, Fuglane, 1957)『風』(The Winds, Vindane, 1952)を加えた3巻シリーズになるという情報もある。 (2022/04/06追記) 残る2冊の構成も上記の通りであることを確認できた。

2022/09/10 記事 ナン・シェパード(Nan Shepherd)『いきている山』(The Living Mountain) 邦訳がついに刊行される予定!

実はノルウェー語からの翻訳は凄いこと?

たしかヴェースオースのノルウェー語は標準語とは違うノルウェー語であり現地人ですら英訳版を選ぶこともあると読んだ気がする。英語訳もなかなか優れた翻訳ということである。われらが国書刊行会の日本語訳はノルウェー語の翻訳のスペシャリストである朝田千恵氏、イプセンの翻訳を手掛けるノルウェーのアンネ・ランデ・ペータス氏が訳者となっていることでいやがうえにも期待が高まる。(「タリエイ・ヴェースオース」ではなく、「タリアイ・ヴェーソス」という表記になっているのは原文の発音に基づく訳者のこだわりだろうか。) もちろんヴェースオースの作品はこれだけでないので、同社のウッドハウスやスタニスワフ・レムのシリーズの時のように好評を博せば今後さらに作品が追加されることもあるかもしれない。


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国書刊行会 タリアイ・ヴェーソス 氷の城
タリエイ・ヴェースオース - Wikipedia

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